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コラム

2021.04.22

舌が迷子

こんにちは。

名古屋市瑞穂区
~治療&トレーニング、コンデショニング統合型施設~
GOKAN Conditioning Labo.大角です。


皆さん、リラックス時に口の中で舌は何処にありますか?

・口蓋(上顎)
・上の前歯の内側に触れている
・上下の歯と歯の間

・下の前歯の内側に触れている



実は舌の位置を何処にするかで、人間の大切な機能である呼吸、筋力発揮、頭部の位置の安定、姿勢制御などに深く関わっています。


次の所に舌が位置しているべきだと考えられています。

・舌先が上の前歯の少し後ろのスポット(上図の青い部分)に触れている
・舌全体が上顎に触れている
・舌先が前歯に触れていない

ここで、ん?どこだ?

と思われた方、大きく唾をゴックンと飲み込むことで適切な位置(上あごのスポット)に舌が収まりやすいかと思います。

そう、そこです!

上の前歯のすぐ後方にあるザラっとしたふくらみの後ろがスポットです。スポットに舌の先が置かれている状態が正しい位置です。

しかし、姿勢改善、呼吸、動作、スポーツパフォーマンスに介入していく中で、いわゆる低位舌などと言われるような位置の不良も多いなというのが実際のところでしょうか。

この舌位置の不良により呼吸にも影響があります。
低位舌により気道が圧迫されることによって、口呼吸になりやすくなります。しかし、舌が上顎に押し当てられていれば、鼻呼吸をスムーズに行いやすい。というかスポットに位置していればほぼ口呼吸できませんね。


また、筋出力に関する影響もあります。
ある研究では口の中の舌の位置によって下肢の筋のパフォーマンスに及ぼす影響を調べており
(The acute effect of the tongue position in the mouth on knee isokinetic test performance: a highly surprising pilot study (2014) Rosa di Vico, Luca Paolo Ardigò, Karim Chamari, Johnny Padulo)

この研究では、舌のポジションを3つに分けて調査。測定機械に座り、膝の曲げ伸ばし運動させて、筋肉のパフォーマンス(最大トルク、平均パワー、加速時間、減速時間など)はどうかというもの。

舌の位置はそれぞれA.舌を前歯に押し付ける、B.口蓋上部のスポットに軽く触れる、C. 舌が下歯に触れる

結果はBの舌をスポットに当てている群が最大トルク、平均パワー、加速時間、減速時間などで最も良い値を計測したということです。

つまり舌を適切な位置(スポット)に当てておくと下肢の筋パフォーマンス、筋出力が上がるというものです。
この研究では下肢についてですが、腕など他の部位でも同じような結果がでるのではないでしょうか。

たとえば口を開けて舌を下の歯に押し当てた状態で、腹筋をグッと力をいれて収縮させるのと、舌をスポットに当てた状態で腹筋を収縮されるのでは力の入りやすさでは実感覚として違いが分かるのではないでしょうか。


また姿勢制御についても、
健康な若年男性の静かな立位時の姿勢安定性に及ぼす舌の位置の影響.として研究されており、(Effect of tongue position on postural stability during quiet standing in healthy young males(2015) Ahmad H Alghadir 1, Hamayun Zafar 1 2, Zaheen A Iqbal 1)
 舌の位置が姿勢制御機構を調節することを示唆している。上顎(前歯)に舌をつけることで、不安定な場所での立位や閉眼状態での姿勢安定性を高めることができる。
 舌が硬口蓋に触れることで舌からの感覚フィードバックを受ける事は、顎、頚部感覚運動システムへの接続を介して、または前庭システムへの間接的な接続を通じて、立位中の姿勢制御を調節する可能性がある。

と、少し難しいことが書いてありますが、皆さんも実際に
①舌の位置をスポットに当てながら、
②舌を下の歯に押し当てた状態、
の舌の位置それぞれ変えて、不安定な場所、または不安定な姿勢でバランスをとってみてください!
舌を下の歯などに付けるより、上顎のスポットに付けた方が安定性の向上を感じることができたのではないでしょうか。


これらのことからも舌は身体の機能と密接にあり、その重要性が伺えます。
実際に舌の位置を改善させるためにエクササイズを入れることもよくあります。

さて実生活の中で少しでも気にしていただくとカラダにも変化が生まれてくるかもしれません。一度気にしてみてはいかがでしょうか。


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